
興奮
おすすめ度 ★★★★★
概要
原題 For Kicks
主人公 ダニエルローク(種馬牧場の経営者)
訳者 菊池光
出版 早川ミステリ文庫
あらすじ
最近イギリスの障害レースでは、思いがけない大穴が十回以上も続いてあった。
番狂わせを演じた馬は、その時の馬体の状況から推して、明らかに興奮剤を与えられていた。
ところが、いくら厳重な検査をしても興奮剤を投入した証拠が出てこないのだ。
どんなからくりで不正レースが行われているのか?
事件の解明を急ぐ障害レースの理事オクトーバー伯爵はオーストラリアに飛び、種馬牧場を経営するダニエルロークに黒い霧の真相をさぐることを依頼した。
早川ミステリ文庫より
感想
オクトーバー伯爵が私の前に現れたときは、うすいブルーの古びたホールデンに乗っていた。
危険と死がひそかに便乗していた。
冒頭いきなりこの描写です。
「危険と死がひそかに便乗していた」
この一文でこれから主人公ダニエルロークの身に起こる困難を表現しています。
うまいですね。
菊池光がこの競馬シリーズをずっと翻訳していくのですが、菊池光の訳もぼくはすきです。
物語最後のほうで、オクトーバー伯爵が主人公に言います。
「きみは腹がたつぐらい自立心の強い男だが、馬丁に落とす気持ちによくなれたものだ。金のためにやったのではないと言うのなら、いったい何のためにひきうけたのだ」
「スリルのためですよ」
しびれます。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ラストシーンも秀逸です。
ぜひ読んでください。
この記事へのコメント
本が好き!運営担当
書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」を運営しております、和氣と申します。
貴ブログを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューをご投稿いただきたく、コメントさせていただきました。
本が好き!:http://www.honzuki.jp/
こちらのサイトでは、選ばれたレビュアーの方が本をもらえるようになる「献本サービス」を行っています。レビューをご投稿の上ご連絡いただけましたら、通常は審査を通過した方のみ申し込み可能な献本に、すぐご応募いただけるようにいたします。
1.会員登録
こちらのフォームよりご登録ください。
http://www.honzuki.jp/user/user_entry/add.html
2.書評投稿
書籍を検索し【書評を書く】ボタンよりご投稿ください。
3.ご報告
貴ブログ名をご記載の上、こちらのフォームよりご報告ください。
http://www.honzuki.jp/about/inquiries/user/add.html
名前の通り「本好き」の方がたくさん集まって、活発にレビューを投稿して交流をされているサイトですので、よろしければぜひ一度ご訪問いただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。